一人暮らし

大学入学を機に初めて一人暮らしを始めたときのことです。
場所は大学の近くに適当な物件がなく、結局三駅ほど離れた場所に決めました。

アパート自体にはとくに問題なかったのですが、ここに住んでいる一年間ものすごく苦労しました。
それはすぐ隣に住んでいる女性の方が、毎日夜八時前には就寝するという早寝早起きな方だったためです。

会社勤めの方だったのですが、とにかく夜八時過ぎにちょっとでも音がすると、ああ、うるさい、まったくどうしてこんなにうるさくするの、と大きな声で怒鳴られるので、毎日本当に怖かったです。

今考えたら、こんなところ早く引っ越せばよかったのですが、そのときは地方から東京に引越してきたばかりで、ようやくアパートを見つけて引越しただけで精一杯で、毎日怖い思いをしながら、なんと一年間もここに住み続けました。

昼間会うとものすごく良い人で、直接文句を言われたことは一切ありませんでした。
夜になるとなぜ途端に豹変し、うるさい、うるさいと怒鳴られるのか、いつ考えても不思議でしたが、次の日直接見かけるとやっぱり何も聞けずに退散してしまうのでした。